SEと資格

読者の皆様、いつも読んで頂いてありがとうございます。




ある読者の方から、私のIT系の資格の有無など、SEと資格について書いてほしいという要望を頂いたので、今回はそれについて書こうと思います。




読者の方からリクエストを頂けるのはとても嬉しいことで、他の読者の方も何かありましたら是非コメントなりメッセージなりで教えて頂けると大変嬉しいです。




さて、IT系の資格についてですが、私はIT系の資格は一切持っていません。これからも持つ予定はありません。会社からもIT系の資格を取れということを入社前にも後にも1度も言われたことがありませんし、周りの社員が話しているということも一切ありません。ただ、IT系の資格ではありませんがTOEICだけは別物です。うちの会社ではTOEICが海外出張や昇進の条件になっており、TOEICのスコアをあげることは会社から耳にタコができるほど聞かされるし、素晴らしいスキルや実績を持っているにも関わらずTOEICが壁になって昇進できない先輩SEも何人か見てきました。しかしそのTOEICも、入社時には求められておらず同期には何人もTOEIC400点台や300点台という人がいます。




IT業界をターゲットに就職活動をしようとしている学生さんや、IT業界に転職を考えられてる方で、資格を取って自己アピールにつなげたいと考えている方もいると思います。私もちょっと考えたことがあります、結局学会の準備に追われ受験できませんでしたが。





個人的な見解ですが、資格をとってアピールできる可能性があるのは以下の3点だと思います。




1.目標のために努力できる資質 --- 資格にもよりますが、完全な素人が挑戦すると2,3ヶ月勉強しないと取れない資格があります。そういう資格を持っていれば、締め付けがなくても自主的に努力できる人間であることをアピールできると思います。

2.IT業界に本気で就職を考えていることの証 --- 上記のような取得に時間のかかる資格を取得したということは、それだけIT業界への就職を真剣に考えていることの証にもなります。

3.IT知識を吸収できる資質 --- また、その資格を短期間で取得できたというのであれば、入社後に求められる膨大なIT技術に関する勉強にも対応できることの証になります。




以上のように、これから伸びるために必要な資質のいくつかを備えていると主張するための根拠として資格は使えると思います。ただ、これらのことも資格が必須条件というわけではありません。例えば、「家でLinuxをインストールしてApacheを導入し、ドメインを取得して簡単なホームページを公開するところまでを全部調べながら一人でやった」というようなエピソードでも2と3の根拠として使えると思います。




しかし、意外に思われる方もいるかもしれませんが、資格を持っていても即戦力として評価することはできません。将棋のルールやテクニックを本で読みまくっても、実戦経験に乏しければまるでそれを生かすことができないのと一緒です。Javaの資格を持っていてもJavaを使って業務システムを作ったことがなければ、即戦力としてはみなされません。

SEの派遣などの募集要項を見ても、「○○の資格保有」という表現はほとんどなく、実務経験が書いてあるのはそのためだと思います。また、具体的な資格名が書いてある場合も、その資格が実務経験がないと取れない資格で、持っていることが自動的に実務経験の証明になる資格であることが多いように思います。




というわけで「SEと資格」について結論としては、




・資格に対する企業の評価の仕方はまちまち

・資格だけで即戦力とみなすことはできない

・資格を持っていればそれをSEに必要な資質の証明にはできる




ということが言えるのではないかと思います。