解決策から議論しない

読者の皆様、いつも読んで頂いてありがとうございます。





SEはチーム活動が原則なわけですが、チームで活動していると、かなり激しい議論になることもあります。





日々解決していく課題の中には、解決策が明らかに1個しかないようなものは稀で、多くのものは難しい判断を迫られます。





この前あったのが、どれだけプロジェクトメンバーに報告を徹底させるかについて話し合っていたとき、





「週次報告をさせよう」





という案が出たとき、「いやそれは負担が大きいからやめよう」だとか、「2週に1度で良い」だとか、色々な案が出されて議論が前に進まなくなった。


こういうときに大事なのは、下記のようなステップを踏んで議論を進めることです。





・解決したい問題は何なのか


・それは何かアクションを取るべき問題なのか


・問題の原因は何なのか


・解決策は何があるのか?


・それぞれの解決策のメリットとデメリットは何か?




今回の例で言うと、色々他の解決策が出てきた時点で、まず問題を振り返ります。


今話しているのは、「どれだけプロジェクトメンバーに報告を徹底させるか」でした。


ではなぜ言い出した当人はこれを考える必要があると考えたのか聞いてみます。そうすると、こういう話でした。




「現在はプロジェクトを掛け持ちしている人が多い。このプロジェクトはまだ余裕があり他のものより優先順位は低いが、こういう時に何も報告しないとメンバーは自分のタスクの期限や内容を忘れてしまって、ギリギリになってそれが発覚することになる。それを防ぎたい」




つまり、問題は「メンバーの中で自分のタスクやその期限を把握していない人が出る」というところです。まずはこれがプロジェクトのリスクとして考えられるかを共通認識にします。そして次に解決策について話します。そうすると、週次で報告させるのは構わないが、内容についてはかなり絞って負担の内容にする、ということで決着がつきました。





システムの提案だとか、部門の方針会議だとか、そういう場ではこのステップは当たり前のように行われていることが多いです。しかし、ちょっとした場で発生した議論というのはこのステップに沿わずに空回りしていることが多いように思います。





空回りしているときに特に重要なのが





・それは何かアクションを取るべき問題なのか





という点です。ここでうまくコンセンサスがとれれば、後の話し合いがスムーズにいきます。会議の中で「ああしよう、こうしよう、いやいやこうだ」という流れになってきたら、まずは上記の点について整理してみましょう。結構冷静に話が進んで新たな解決策が見えてくるはずです。





これもSEに必要なヒューマンスキルの一つだと思います。